「もしかして発達障害なのでは・・・?」
そんな風に自分を疑ったことのあるHSS型HSPさんは多いのではないでしょうか?
結論、HSS型HSPと発達障害は、まったく異なるものです。
しかし、似ている部分もたしかにあり、HSPやHSS型HSPという概念よりも、ADHDやASDなどの発達障害の方が世間的に認知が進んでいるため、誤解をしてしまいやすいのでしょう。
そんな誤った認識をなくすためには、まず両者について知ることが大切です。
本記事を読んで、自分がどちらの特徴に当てはまるかを確認してみましょう!
この記事では、
- HSS型HSPと発達障害の特徴
- HSS型HSPと発達障害の違い
- HSS型HSPと発達障害の共通点
について解説しています。
HSS型HSPと発達障害の特徴
さっそく、HSS型HSPと発達障害の特徴をそれぞれ見ていきましょう。
HSS型HSPとは
HSS型HSPとは、上の図の通り、刺激を求めるHSSと、内向的なHSPの気質をあわせ持った人のことです。
その人自身の生まれ持った気質(性格)なので、病気ではありません。
しかし、人口全体の約6%しかいないマイノリティのため、周囲の理解を得ることが難しく、その点で「悩みを抱えやすい」、「生きづらさを感じやすい」タイプと言えます。
主な特徴は、以下の通りです。
- 新しい経験やスリルを求める
- 飽きっぽく、物事を続けることは苦手
- 好奇心旺盛で行動力がある
- 刺激に敏感で疲れやすい
- 行動は大胆だが、些細なミスを気にする
詳しくは、下の記事で解説しているのでぜひご覧ください。
発達障害とは
発達障害とは、脳機能の発達バランスに生まれつき偏りがあるという障害です。
脳の発達が通常とは少し違っているという「特性」であり、病気ではありません。
人には誰しも得意・不得意がありますが、発達障害がある人はその差が非常に大きいため、社会生活に困難が発生します。
幼い頃から症状は見られますが、成長するにつれて自身の不得意な部分に気づいていき、大人になって生きづらさを感じ出す人も多いです。
発達障害と言ってもさまざまなタイプがあり、本記事では代表的な以下の2つについて解説します。
- ASD(自閉症スペクトラム障害)
- ADHD(注意欠如・多動性障害)
ASD(自閉症スペクトラム障害)
自閉症スペクトラム障害は、約100人に1~2人存在すると報告されている、身近な疾患です。
性別でいうと、女性よりも男性への発現率が4倍ほど高い傾向があります。
2013年5月に行われた精神医学の診断基準の改訂により、「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」も含まれるようになりました。
症状は、その程度や年齢などにより多種多様です。
- 言葉が遅い
- 大きな音が怖い
- 人混みを嫌う
- こだわりが強い
- 相手の気持ちを理解することが苦手
- 友達ができにくい
- 表情が乏しく、笑顔が少ない
ADHD(注意欠如・多動性障害)
人口調査によると、子どもの20人に1人、成人の40人に1人に、このADHD(注意欠如・多動性障害)の症状があることが分かっています。
男女比は、以前は男性に多いと言われていましたが、現在では大きな差はなくなってきているそうです。
近年では、これまで見過ごされていた大人のADHDにも注目されるようになってきました。
「不注意」「多動性」「衝動性」が特徴的な性質で、具体的には以下の様な症状があります。
- 忘れ物や紛失が多い
- ケアレスミスが多い
- 思ったことをすぐに言葉にする、行動する
- 落ち着きがない
- 時間の管理が苦手
- 整理整頓が苦手
同じ診断名でも、人によって特性の現れ方は異なります。
また、複数の発達障害をあわせ持つこともあるようです。
HSS型HSPと発達障害、ともに病気や疾患ではなく、生まれ持った特性だということが分かりました。
つぎに、具体的にどういった部分が似ていると言われるのかを見ていきます。
発達障害と誤診されるケースも・・・
発達障害の1つであるASD(自閉症スペクトラム障害)とHSS型HSPが持つHSPの気質には、下記のようなよく似た特徴があり、本当はHSPなのに、発達障害と診断されてしまうケースもあるそうです。
- ASDの感覚過敏⇔HSPの五感の敏感さ
- ASDのこだわりの強さ⇔HSPの深い思考力
- 対人関係が苦手で1人を好む
発達障害を疑っていて、病院への受診も考えている方は一度自分の特徴をよく振り返ってみましょう。
自分のことをよく理解することで、病院へ受診した際により正確な診断を受けられますよ。
つぎにHSS型HSPと発達障害の違いを知って、さらに理解を深めましょう。
HSS型HSPと発達障害の違い
HSS型HSPと発達障害の違いは大きく分けて3つあります。
- 人の気持ちに対する感受性
- 多動性
- 病院での診断の可否
違い①人の気持ちに対する感受性
ASDとHSS型HSPは、両者とも刺激に対する感受性に長けています。
しかしそれは、音や光など主に「五感」に対する刺激に対しての話で、「人の気持ち」に対する感受性に関しては、まったく正反対です。
HSS型HSPが、人の気持ちに深く共感できるのに対し、ASDは相手の気持ちを理解することを苦手としています。
人とのコミュニケーションを例に挙げると、
HSS型HSPは、高い共感力や傾聴力をもっていて、初対面の人とでもコミュニケーションはとれます。
それに対してASDは、場の空気を読むことはもちろん、相手に話を合わせたり、会話に入っていくのも苦手です。
違い②多動性
ADHDの特徴に、多動性障害というものがあります。
簡単に言えば、「落ち着きのない行動」をしてしまう、という特性です。
- 静かにすべき場所でじっとしていられない
- 他人のものを勝手に使って迷惑をかける
- 体を揺らしたり、手足を常に動かしてしまう
こういった行動はHSS型HSPには通常見られません。
客観的にみて分かりやすい特徴ですね。
違い③病院での診断の可否
ASDやADHDなどの発達障害は、病気ではありませんが精神科や心療内科などで診断をしてもらうことが可能です。
一方HSPは、精神医学的な基準がないため、病院に行っても「HSPです」と診断されることはまずないでしょう。
まとめ|どちらにしても個性の1つ
HSS型HSPと発達障害の違いについて解説しました。
両者はどちらも病気ではなく個性の1つですが、原因や特徴はまったく異なるものです。
しかし、表面的に見てしまうとお医者さんでも間違うほど似ている部分もあります。
まずはセルフチェックをするなどして、自分の特徴を分析してみましょう。
それでも不安な方は、精神科や心療内科の病院・クリニックで専門医に相談してみることをおすすめします。
このブログでは、他にもHSS型HSPさん向けの記事をご用意しています。
悩みを抱える方のヒントになればと思い書いた記事ばかりですので参考にしてもらえると嬉しいです。